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事務から営業への転職は、20代であれば十分に可能です。営業を裏で支えてきた経験、正確さや段取り力、社内外との調整力は、営業職でそのまま評価されます。本記事では、事務と営業の違い、事務経験を営業の言葉に言い換える方法、事務出身者に向いている営業の種類、志望動機の例文、面接での想定問答までを人材紹介の現場視点で解説します。
「事務の仕事は嫌いではないけれど、収入もキャリアも頭打ちに感じる」「営業に興味はあるが、人前で話すのは得意なほうではない」——事務職から営業職への転職相談で、よく聞く言葉です。事務しか経験がなくて採用されるのか、という不安もほぼ全員が口にします。
結論からいうと、事務から営業への転職は、20代であれば十分に可能です。営業は未経験採用が多い職種であり、事務職で培った「正確さ」「段取り力」「社内外の調整力」「営業を裏で支えた経験」は、営業の現場で確実に活きる力だからです。「話すのが得意」でなくても、聞いて整理する力があれば通用する営業の種類はたくさんあります。
この記事では、事務と営業の違い、事務経験のうち営業で評価されるスキル、事務出身者に向いている営業の種類とおすすめ業界、志望動機の書き方と例文、面接で聞かれる質問への答え方までを解説します。
営業事務や営業アシスタントの経験がある方は、見積書や提案資料の作成、受発注の管理、顧客からの問い合わせ対応など、営業活動の一部をすでに担っています。営業の仕事の流れを知っている状態で入社できるため、企業側は「立ち上がりが早い」と評価します。一般事務・総務・経理の方も、社内の依頼に応え、期限を守って処理してきた経験は、顧客対応の基礎として通用します。
営業の現場では、見積の数字の間違い、納期の連絡漏れ、資料の不備といった「小さなミス」が信頼を失う原因になります。事務職で当たり前にやってきた正確な処理と、先を読んだ段取りは、営業チームでは希少な力として重宝されます。「話すのが得意な人」より「約束を守れる人」のほうが、長く成果を出す営業になることは珍しくありません。
営業職は求人数が多く、20代向けには「未経験歓迎」「職種未経験OK」の求人が豊富にあります。ポテンシャル重視の採用が中心のため、事務経験しかなくても、「なぜ営業なのか」と「事務経験をどう活かすか」を説明できれば、採用の可能性は十分にあります。未経験から挑戦しやすい職種の全体像は、未経験からの転職【20代】おすすめ職種7選でも紹介しています。
| 比較項目 | 事務職 | 営業職 |
|---|---|---|
| 仕事の起点 | 社内からの依頼・定型業務 | 自分で顧客との接点を作り、提案する |
| 評価のされ方 | 正確さ・期限遵守・業務量。成果が数字になりにくい | 売上・受注件数・目標達成率など、成果が数字で見える |
| 1日の流れ | 定型業務が中心で、予定を立てやすい | 商談・移動・資料作成が混在し、予定が変わりやすい |
| 人との関わり | 社内の同僚・他部署が中心 | 社外の顧客が中心。初対面の相手と話す機会が多い |
| 給与 | 固定給が中心で安定 | 固定給+成果に応じた賞与やインセンティブ(報奨金)の会社が多い |
| キャリアの広がり | 専門事務(経理・人事)や管理部門へ | マネージャー・企画・マーケティング・カスタマーサクセス(契約後の顧客支援)など選択肢が広い |
最大のギャップは、「依頼を受けて処理する」から「自分から動いて成果を作る」に変わることです。成果が数字で見えるやりがいがある一方で、結果が出ない時期のプレッシャーもあります。このギャップを理解したうえで「それでも営業がしたい理由」を持っておくと、志望動機と面接での説得力が上がります。
事務の経験は、そのまま伝えても営業の採用担当者には伝わりにくいことがあります。「事務でやっていたこと」を「営業の言葉」に言い換えるのがポイントです。
| 事務でやっていたこと | 営業での言い換え | アピールの例 |
|---|---|---|
| 見積書・提案資料の作成 | 提案の準備力・商材理解 | 「営業◯名分の見積・提案資料を作成し、差し戻しゼロ」 |
| 顧客・取引先からの問い合わせ対応 | 顧客対応力・ヒアリング力 | 「月◯件の問い合わせに対応し、要望を営業に橋渡し」 |
| 受発注・納期・在庫の管理 | 段取り力・正確さ・進行管理 | 「納期遅延ゼロ。更新時期の一覧化で漏れをなくした」 |
| 他部署や取引先との調整 | 社内外の調整力・関係構築 | 「営業・製造・物流の間に立ち、納期の調整を担当」 |
| 業務の効率化・マニュアル化 | 課題発見力・改善提案 | 「請求業務の手順を見直し、月末の作業時間を◯%短縮」 |
数字は小さくても構いません。「件数」「ミスの削減」「時間の短縮」「対応した相手の数」など、事務の仕事で意識していた指標を思い出し、行動と結果をセットで書き出しましょう。営業事務の方は「営業がどう動くと受注につながるか」を見てきた経験そのものが、強いアピールになります。
営業といっても、新規開拓が中心か既存顧客が中心か、対面か非対面かで、求められる力は大きく変わります。事務経験との相性を踏まえて整理しました。
| 営業の種類 | 事務経験との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| インサイドセールス(内勤営業) | ◎ | 電話・メール中心で、記録と段取りが成果を左右する。外回りがなく事務と働き方が近い |
| ルート営業(既存顧客中心) | ◎ | 決まった顧客への定期対応と追加提案。正確さと関係維持の力が活きる |
| 反響営業(問い合わせ対応型) | ○ | 問い合わせに対応する形で、飛び込みがない。問い合わせ対応の経験が活きる |
| 営業事務から同じ会社・業界の営業へ | ○ | 商材と顧客を知っている状態で始められる。社内異動や同業界の転職で実現しやすい |
| 法人向け新規開拓営業 | △ | 自分から接点を作る行動量が必要。成長は早いが、最初のギャップが大きい |
事務出身者の転職先として多いのは、IT・通信(サービスの提案営業、インサイドセールス)、人材業界(法人営業・キャリアアドバイザー)、メーカー・商社(既存顧客へのルート営業)などです。いずれも未経験採用に慣れており、研修や先輩の同行で段階的に育てる仕組みがある会社が多い業界です。営業の種類ごとの詳しい違いは、営業への転職は未経験でもできる?で解説しています。インサイドセールスに興味がある方は、インサイドセールスとは?もあわせてご覧ください。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 成果が給与に反映されやすく、収入アップの可能性がある | 成果が出ない時期のプレッシャーが事務より大きい |
| 提案力・交渉力など、他職種でも通用するスキルが身につく | 外回りや顧客都合の対応で、予定が変わりやすい |
| 企画・マーケティング・マネジメントなど、キャリアの選択肢が広がる | 商材や業界の知識をゼロから覚える必要がある |
| 自分の工夫が結果に直結し、やりがいを感じやすい | 最初は固定給が事務時代と同程度か、下がる場合もある |
デメリットの多くは、営業の種類と会社選びで小さくできます。プレッシャーが不安なら固定給の比率が高い会社やルート営業を、予定の変わりやすさが不安ならインサイドセールスを選ぶ、といった具合です。
事務から営業への志望動機は、「なぜ営業なのか(事務との違いを踏まえて)」「事務経験のうち何を活かせるか(数字つき)」「入社後にどう貢献するか」の3要素で構成します。「人と関わる仕事がしたい」だけでは、事務でも関われると思われてしまうため、「自分から提案して成果を作りたい」という営業ならではの理由を明確にしましょう。
貴社を志望した理由は、既存のお客様と長期的な関係を築き、課題に応じて提案する営業スタイルに魅力を感じたためです。現職では営業事務として、営業5名の見積作成と受発注管理を担当し、顧客ごとの更新時期を一覧化することで更新漏れをなくし、追加受注のきっかけを作りました。お客様の要望を営業に橋渡しする中で、自分自身が提案する側に立ちたいと考えるようになりました。入社後は事務で培った正確さと段取り力を活かし、信頼される営業として早期に成果を出したいと考えております。
貴社を志望した理由は、電話やメールで見込み顧客の課題を聞き出し、データをもとに改善を重ねるインサイドセールスの仕事に魅力を感じたためです。現職では一般事務として、社内外からの問い合わせに月100件以上対応し、内容を分類して対応マニュアルを作成したことで、対応時間の短縮につながりました。相手の要望を正確に聞き取り、記録し、次につなげる仕事に強みがあると感じております。入社後はこの経験を活かし、商談化率の向上に貢献したいと考えております。
貴社を志望した理由は、担当する取引先を定期的に訪問し、在庫や納期の管理を含めて長く支える営業スタイルに魅力を感じたためです。現職では経理事務として請求・入金管理を担当し、取引先ごとの支払条件を整理して入金遅延を前年比で半減させました。数字を正確に扱い、取引先と信頼関係を築いてきた経験は、ルート営業で活かせると考えております。入社後は取引先の困りごとを先回りして解決し、継続的な取引の拡大に貢献したいと考えております。
太字部分を自分の実績に置き換えれば、そのまま使えます。履歴書の志望動機の文字数や構成の基本は、履歴書の志望動機【転職】例文12選で詳しく解説しています。
面接官は「事務がつらいから逃げてきたのでは」「営業の厳しさを分かっているか」を確かめようとしています。事務で得たものを肯定したうえで、営業で挑戦したい理由を前向きに語ることが、内定への近道です。
A. できます。20代の営業採用はポテンシャル重視が中心なので、経験年数より「業務で工夫したこと」「期限や正確さをどう守ったか」を具体的に話せるかが重要です。
A. できます。営業で成果を出すのは「話し上手」より「聞き上手」であることが多く、初対面の相手にも準備した質問で話を引き出せれば十分です。人見知りが強い場合は、問い合わせ対応型の反響営業やインサイドセールスから始めると、ギャップが小さくなります。
A. 会社や営業の種類によりますが、成果が給与に反映される仕組みの会社が多いため、成果次第で上がる可能性はあります。ただし入社直後は事務時代と同程度の場合もあるため、固定給と成果連動分の内訳を求人票で確認しましょう。
A. 会社によっては可能です。商材と顧客を知っている営業事務からの異動は、企業側にとってもメリットがあります。まず上司に希望を伝え、実現が難しければ同じ業界の営業求人を探すと、経験を活かしやすくなります。
事務から営業への転職は、20代であれば十分に可能です。営業を裏で支えた経験、正確さと段取り力、社内外の調整力は、営業の現場で「約束を守れる人」として信頼される力になります。事務と営業の違いを理解し、経験を営業の言葉に言い換え、自分に合う営業の種類を選べば、話すのが得意でなくても成果を出す営業になれます。
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執筆・監修 岩田珠優(CA/RA担当)
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