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残業が多いことは転職理由として伝えて構いませんが、「残業がつらかった」とそのまま話すと、体力や意欲を疑われたり、同じ理由で辞めると懸念されたりします。基本は、残業の状況を事実として短く示し、自分が試した改善行動を添え、「限られた時間で成果を出したい」という前向きな目的につなげることです。この記事では、面接官の懸念、NG例と言い換えの表、中身別の伝え方、例文4つ、深掘り質問への答え方を解説します。
「残業が多くて辞めたいけれど、面接でそのまま言っていいの?」「『楽をしたい人』と思われない?」「本当の理由を隠して別の理由を言うべき?」——残業の多さを理由に転職を考えている方から、こうした相談をよく受けます。残業は転職理由として最も多いものの一つですが、伝え方で印象が大きく変わる理由でもあります。
結論からいうと、残業が多いことは転職理由として伝えて構いません。ただし、「残業がつらかった」とそのまま話すと、体力や意欲を疑われたり、「うちでも同じ理由で辞めるのでは」と懸念されたりします。伝え方の基本は、残業の状況を事実として短く示し、自分が試した改善行動を添え、「限られた時間で成果を出したい」という前向きな目的につなげることです。
この記事では、面接官が残業を理由とする応募者に抱く懸念と、NG例と言い換えの対比表、伝え方の3ステップを順に解説します。あわせて、残業の中身別の伝え方、20代向けの例文4つ、深掘り質問への答え方、応募書類での扱い、残業が少ない会社の見分け方も紹介します。
残業の多さを理由に転職する人は多く、面接官もそのこと自体を否定的には見ていません。問題は、伝え方によって次の3つの懸念を持たれることです。
| 面接官の懸念 | 懸念を持たれる伝え方 | 懸念を消す伝え方 |
|---|---|---|
| ①体力・意欲が低いのでは | 「残業がつらくて辞めました」「定時で帰りたいです」 | 「限られた時間で成果を出す働き方をしたい」と、仕事への意欲を軸にする |
| ②うちでも同じ理由で辞めるのでは | 残業の不満だけで終わり、次に何をしたいかがない | 「どんな環境なら長く働けるか」を具体的に話し、応募先がその環境だと調べたことを示す |
| ③環境のせいにして、自分は何もしなかったのでは | 「会社が悪い」「上司が仕事を振りすぎる」 | 業務の効率化や上司への相談など、自分が試したことを事実として添える |
3つの中で最も大切なのは③改善行動です。「残業を減らそうと自分なりに動いたが、構造的に難しかった」という事実があると、他責ではなく、課題に向き合える人という印象に変わります。転職理由全般の考え方は転職理由の伝え方と例文で解説しています。
残業を理由にするときの伝え方は、①事実を短く→②自分が試したこと→③次に実現したいことの3ステップで組み立てます。よくあるNG例と、言い換えの方向を対比しました。
| NG例(そのまま話す) | 何が問題か | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 「毎日終電で、体力的に限界でした」 | 感情と疲労の話で終わり、意欲が見えない | 「月◯時間程度の残業が続く状況で、業務の優先順位を見直しましたが、人員体制上は改善が難しく、計画的に働ける環境で成果を出したいと考えました」 |
| 「プライベートの時間が取れませんでした」 | 私生活優先と受け取られる | 「自己研鑽の時間を確保し、仕事の質を高めたい」と、仕事につながる目的にする |
| 「残業代が出ないのが不満でした」 | 待遇の不満が中心に見える | 「働いた時間が正しく評価される環境で、長期的に働きたい」と、評価の仕組みの話にする |
| 「上司が仕事を振りすぎるんです」 | 他責。協調性にも疑問 | 「業務量について上司に相談し、分担の見直しを提案した」と、自分の行動を主語にする |
| 「残業が少ない会社に行きたいです」 | 目的が「楽」に見える | 「生産性を重視する文化の中で、限られた時間で成果を出したい」と、働き方の価値観として語る |
残業時間の数字は、客観的な事実として伝えるには有効です。「月60時間」のように具体的な数字があると、感情的な不満ではなく、構造的な問題だと伝わります。ただし、数字が少ない場合(月20時間程度など)は、「それで多いと言うのか」と受け取られることがあるため、時間数ではなく「業務量と人員のバランス」や「非効率な仕組み」の話に切り替えるほうが無難です。
一口に「残業が多い」といっても、中身によって伝え方は変わります。自分の状況に近いものを確認してください。
| 残業の中身 | 伝え方のポイント | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| ①純粋に業務量が多い | 業務量と人員のバランスの問題として説明し、優先順位づけなど自分の工夫を添える | 「人員体制上、個人の工夫では解決が難しく、計画的に業務を進められる環境を求めている」 |
| ②サービス残業・残業代が出ない | 待遇の不満ではなく「評価の仕組み」の話にする。法令違反の批判は避け、事実を淡々と | 「働いた時間が正しく評価される仕組みの中で、長期的に働きたい」 |
| ③非効率な仕組み・付き合い残業 | 改善提案をした事実を添え、生産性を重視する価値観として語る | 「業務の効率化を提案したが実行に至らず、生産性を重視する文化の中で力を発揮したい」 |
| ④体調やメンタルに影響が出た | 詳細を話す必要はないが、隠さない。現在は回復していることと、再発を防ぐための条件を伝える | 「一時的に体調を崩したが現在は回復しており、持続的に働ける環境で成果を出したい」 |
④の場合、面接官は「業務に支障がないか」を確認したいだけで、詳細を聞きたいわけではありません。現在は問題なく働けることと、同じ状況を避けるために確認している条件を簡潔に伝えれば十分です。
20代の転職を想定した例文を4つ紹介します。いずれも「事実→行動→目的」の3ステップで、1分程度で話せる長さです。自分の経験に置き換えて使ってください。
「前職の法人営業では、担当顧客数の増加に対して人員の補充がなく、月60時間前後の残業が1年以上続いていました。訪問の優先順位づけや報告業務の簡略化を自分なりに進め、チームにも共有しましたが、体制上の問題は個人では解決が難しい状況でした。今後は、限られた時間で成果を出すことを重視する環境で、提案の質を高めることに集中したいと考えています。貴社の営業体制について、面接でお聞きした役割分担の仕組みに、その環境があると感じました。」
「前職の事務では、紙の申請や二重入力が多く、月末には残業が集中していました。手順の見直しと簡単な集計の自動化を提案し、一部は採用されましたが、全体の仕組みを変えるには至りませんでした。この経験から、業務改善を歓迎し、効率的に働くことを評価する環境で力を発揮したいと考えるようになりました。貴社がシステム化を進め、改善提案を評価する制度があると伺い、志望いたしました。」
「新卒で入社した会社では、繁忙期に限らず残業が常態化しており、入社2年目の時点で月50時間を超える月が続いていました。上司に業務量の相談をし、優先順位の整理を一緒に行いましたが、部署全体の体制上、改善が難しい状況でした。社会人としての基礎は身についたと感じている一方で、長く働き続けるためには、計画的に業務を進められる環境が必要だと考え、転職を決めました。貴社では、◯◯の仕事で腰を据えて経験を積みたいと考えています。」
「前職では長時間の残業が続き、一時的に体調を崩して休職を経験しました。現在は完全に回復しており、業務に支障はありません。この経験から、自分のパフォーマンスを長く保つためには、業務量と時間のバランスが取れた環境が必要だと学びました。前職でも業務の優先順位づけなど自分でできることは試しましたが、根本的な改善は難しい状況でした。貴社の働き方について面接で確認させていただき、持続的に成果を出せる環境だと感じております。」
例文は「残業」だけを理由にせず、次に実現したいこととセットになっています。転職理由と志望動機は一貫していることが前提なので、応募先の働き方を調べたうえで話してください。
残業を理由に挙げると、面接官から次のような深掘りが入ることがあります。準備しておきましょう。
面接での深掘りに備える考え方は、転職面接で落ちる理由と対策でも解説しています。
履歴書の職歴欄は「一身上の都合により退職」の定型文で十分で、残業について書く必要はありません。職務経歴書にも退職理由は原則書きません。残業の話は面接で聞かれたときに話すものと考えてください。
ただし、在職中に転職活動をしている場合、残業が多いと面接の時間を確保しにくくなります。平日夜やオンライン面接の依頼の仕方は、在職中の転職活動の進め方で解説しています。
残業を理由に転職するなら、次の会社で同じ状況にならないよう、入社前に確認することが欠かせません。
| 確認する場所 | 見るポイント | 注意したい表現・答え |
|---|---|---|
| 求人票 | 平均残業時間の記載、固定残業代の時間数、みなし残業の有無 | 「残業少なめ」とだけあり数字がない。固定残業代が40時間以上 |
| 採用ページ・口コミ | 社員の1日の流れ、働き方に関する記述 | 「やりがい」「成長」ばかりで働き方の記述がない |
| 面接での質問 | 「平均的な月の残業時間と、繁忙期の時間を教えてください」「残業を減らすための取り組みはありますか」 | 「人による」「頑張り次第」で濁す。繁忙期の具体的な話がない |
| 社員面談・会社見学 | 退社時間の実態、オフィスの雰囲気 | 夕方以降の訪問で、多くの社員が残っている |
転職すべきかどうか自体を迷っている場合は、残業以外の要素も含めて判断することをおすすめします。転職するか迷ったときの決め手で、判断基準を整理しています。
A. 別の理由をつくる必要はありません。事実と違う理由は、深掘りされたときに矛盾が出やすく、入社後のミスマッチにもつながります。残業の事実を認めたうえで、改善行動と次の目的を添えて話してください。
A. 明確な基準はありませんが、労働基準法で時間外労働の上限の原則とされている月45時間を超える状態が続いていれば、多いと受け取られるのが一般的です。それ以下の場合は、時間数より「常態化していること」「改善の見込みがないこと」「非効率な仕組み」を中心に話すほうが伝わります。
A. 「業務の状況に応じて、月◯時間程度までは対応できます」と現実的な範囲で答えてください。「残業はしたくない」と答えると協調性を疑われ、「何時間でも大丈夫」と答えると、同じ状況を繰り返す原因になります。
A. 職務経歴書には退職理由を書かないのが一般的なので、不利になることはありません。履歴書の職歴欄も「一身上の都合により退職」で十分です。残業の話は面接で聞かれたときに、この記事の3ステップで話してください。
株式会社おもろいでは、20代・未経験からの転職相談に対して、転職理由の整理と言い換えから、残業の少ない会社の見極め、面接での深掘り対策までを一緒に進めています。「残業が理由だと不利になりそうで不安」という段階でも、気軽にご相談ください。
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