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厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、転職で賃金が減った人は20〜24歳で16.8%、25〜29歳で29.2%で、増えた人のほうが多数派です。年収が下がる5つのケース、下がっても後悔しない人の共通点、手取りと内訳から許容ラインを決める3ステップ、年収ダウンを小さくする交渉と会社選び、入社後に取り戻す方法を解説します。
「転職すると年収が下がるって本当?」「未経験の仕事に挑戦したいけれど、収入が減るのが怖い」。20代の転職相談で、年収の不安はほぼ全員が口にします。結論からいうと、20代の転職で年収が下がる人は3人に1人以下で、上がる人のほうが多いのが実態です。
ただし、未経験の職種や業界に移る場合は、一時的に下がることが珍しくありません。大切なのは「下がるか上がるか」ではなく、どこまでなら許容できるか、何年で取り戻せるか を数字で決めてから動くことです。それができれば、年収が下がる転職でも後悔しません。
この記事では、厚生労働省のデータで年代別の実態を確認したうえで、年収が下がる5つのケース、後悔しない人・する人の違い、許容ラインの決め方を整理します。年収ダウンを小さくする交渉と会社選び、入社後に取り戻す方法も紹介します。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、転職して入職した人のうち、前職と比べて賃金が「増加」した人は全体で40.5%、「減少」した人は29.4%、「変わらない」人は28.4%でした。年代別に見ると、20代は減少の割合がさらに低く、増加の割合が高い傾向です。
| 年齢 | 増加 | 変わらない | 減少 | うち1割以上の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 50.5% | 31.5% | 16.8% | 11.2% |
| 25〜29歳 | 46.3% | 23.1% | 29.2% | 17.6% |
| 30〜34歳 | 46.1% | 29.1% | 24.2% | 16.3% |
| 全年代 | 40.5% | 28.4% | 29.4% | 21.7% |
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」転職入職者の賃金変動状況(前職が雇用者で、調査時に在籍している転職入職者)
20〜24歳では半数以上が年収増、25〜29歳でも半数近くが増えており、「20代の転職は年収が下がるもの」という思い込みは、データとは一致しません。一方で、25〜29歳では約3割が減少しており、1割以上減った人も一定数います。下がる人には共通のケースがあるため、次の章で確認してください。
年収が下がる転職には、理由がはっきりしたパターンがあります。自分の転職がどれに当てはまるかを知れば、下がり幅の見込みと対策が立てられます。
| ケース | 下がる理由 | 下がり幅の傾向と対策 |
|---|---|---|
| ①未経験の職種・業界に移る | 経験者と違い、即戦力として評価されないため初年度の提示額が低い | 初年度は下がりやすいが、成果次第で2〜3年で回復する。評価制度と昇給実績を確認 |
| ②平均年収が低い業界に移る | 業界の収益構造で給与水準が決まる。個人の努力で埋めにくい | 下がり幅が大きく、戻りにくい。業界の給与水準を事前に調べる |
| ③残業代・夜勤手当・賞与が減る | 基本給は同じでも、手当や賞与の有無で総額が変わる | 見た目の月給より総額で比較。みなし残業の内訳を確認 |
| ④大手から中小・ベンチャーに移る | 福利厚生や賞与、退職金の差が総額に出る | 基本給は同水準でも総額で下がることが多い。福利厚生を金額換算する |
| ⑤年収交渉をしない・役職が下がる | 前職の年収を伝えず、企業の提示額をそのまま受ける | 希望年収と根拠を伝えるだけで変わる。エージェント経由なら交渉を依頼 |
未経験の職種を目指す場合の職種ごとの傾向は20代の未経験転職におすすめの職種と選び方で、大手とベンチャーの給与・福利厚生の違いは大手とベンチャーの違い(給与・評価・働き方の比較)で解説しています。
年収が下がった転職で後悔するかどうかは、下がり幅より「下がることを分かって選んだか」で決まります。
転職理由が「仕事が楽しくない」という段階なら、原因の切り分けを先にしておくと、年収を下げてまで動くべきかの判断がしやすくなります。仕事が楽しくないときの原因の見つけ方と判断基準を参考にしてください。
「下がってもいい」を感覚で決めると、入社後に生活が苦しくなります。手取り・内訳・回復年数の3つで、許容ラインを数字にしてください。
まず、今の月の手取りと、家賃・光熱費・通信費・奨学金返済・保険などの固定費を書き出します。固定費に食費と最低限の交際費・貯金を足した金額が、生活が成り立つ手取りの下限です。この下限を年収に換算した額が、下回ってはいけないラインになります。一般的には年収1割減までが目安と言われますが、固定費の重さは人によって違うため、自分の数字で決めてください。
| 項目 | 確認すること | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 基本給 | 月の基本給と、昇給の実績 | みなし残業代が含まれていないか |
| 賞与 | 年何回、何か月分か。業績連動か | 「賞与あり」でも実績が少ない会社がある |
| 残業代・手当 | 残業代の支給方法、住宅手当・通勤手当の有無 | 前職の手当がなくなると総額が大きく変わる |
| 福利厚生 | 家賃補助、退職金、確定拠出年金、健康保険組合 | 金額換算すると年数十万円の差になることがある |
| 成果報酬 | 支給条件と、達成者の割合 | 想定年収に含まれている場合は、達成しないと届かない |
内定後に労働条件通知書で内訳を確認し、不明点は入社前に質問してください。承諾前の確認項目と、回答期限の相談の仕方は転職の内定承諾期限の延ばし方と承諾前に確認することにまとめています。
初年度に下がっても、昇給の実績と評価制度から、何年で前職の水準に戻るかを見積もります。面接で「入社2〜3年目の方の年収の推移」を聞くと、現実的な数字が分かります。3年以内に戻る見込みがあり、その間の生活が下限を上回るなら、許容範囲と判断できます。
同じ職種でも、伝え方と選び方で提示額は変わります。交渉は「要求」ではなく「根拠の提示」と考えてください。
未経験転職で下がった年収は、入社後の動き方で回復の速さが変わります。1年目から意識しておきたい行動を挙げます。
A. 一概には言えません。年収以外に得たいものが明確で、許容ラインを数字で決め、数年で取り戻す見込みがあるなら、20代の年収ダウンは投資として成り立ちます。逆に、不満だけで動く転職や、生活の下限を割る転職は避けてください。
A. 職種や会社によって幅があり、一律には言えません。初年度は前職を下回ることが多い一方、成果が反映される会社では2〜3年で回復する人が多い傾向です。応募先の初年度の提示額と、2〜3年目の年収の推移を面接で確認してください。
A. 正直に、根拠と幅をつけて答えてください。現在の年収を内訳つきで伝え、希望は「下限」と「できれば」の2段階で示すと、企業も検討しやすくなります。遠慮して低く言うと、そのまま提示されることがあります。
A. 福利厚生を金額に換算して比べてください。家賃補助や退職金、確定拠出年金は年数十万円の差になることがあり、年収が少し下がっても総額では上回る場合があります。逆に、年収が上がっても福利厚生が薄く、手取りが減るケースもあります。
株式会社おもろいでは、年収が下がる可能性のある転職について、手取りのシミュレーション、内訳の比較、企業との年収交渉の代行まで支援しています。「下がるのが怖くて踏み出せない」という段階で、まず数字を一緒に確認しましょう。
執筆・監修 岩田珠優(CA/RA担当)
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